「影の銀行」デフォルトか 49億円分償還されず
中国産経新聞 2月13日(木)7時55分配信【上海=河崎真澄】
12日付の中国紙、上海証券報によると、吉林省の信託会社が大手行
の中国建設銀行を通じ、国内の個人投資家らに販売した金融商品のうち
2億8900万元(約49億円)分が満期に償還されなかったことが分
かった。
高利回りをうたった「影の銀行(シャドーバンキング)」の中心である
「理財商品」で、何らかの救済措置が取られなければ、初のデフォルト
(債務不履行)に陥る可能性もある。
償還できなかったのは吉林省信託が組成し、山西省の石炭会社に投資し
た金融商品「松花江」の一部で、7日に満期を迎えた。商品の総額は満期
が来ていない分も含め9億7300万元。石炭会社は経営難で自力での償
還は困難な情勢だ。
中国では1月末に、30億元規模の理財商品がデフォルトに陥りかけた
ケースがあったが、中国当局の指示とみられる正体不明の投資家が現れて
元本が保証された。今回の吉林省信託もデフォルト回避のための救済策を
探しているという。
中国では4兆元分の理財商品が年内に満期を迎えるが、このうち約5千
億元分に償還のめどが立たないとの見方がある。投資家保護を名目
にデフォルト懸念の金融商品を、当局などがどこまで救済し続けるかは不
透明。市場関係者は「デフォルト問題で負の連鎖が起きる危険性がある」
として、警戒を強めている。
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