先日ドイツに行ったとき、えらくおもしろい、ということで紹介された、フランクシュッツイングの「The Swarm (日本語題 深海のYrr)」を読みました。欧州で流行っただけあって、なかなかおもしろい、と言いたいところですが、ジョーズばりのおもしろさはあるものの、あまり科学的なバックグランドもしっかりしていなさそうだし、なんにしても、この時代に、科学を扱う話で、主人公が西洋人ばかり(コンプレックスの固まりの名誉白人のネイティブが出てはくるが。)というのは、あまりにリアリティがない。まあ、こわごわ、という意味ではおもしろい小説ですけど。
話の筋は、まあ、そんなものですが、主人公の男女が夜、月の輝く湖で、会話を続けるところが、なかなかあまり見たことのない展開と、言葉のやりとりで気に入りました。なんとなく深い仲になりそうで、なんとなくならない、でもなりそうで、という会話が、小説の本筋とは違い、とてもリアリティがある。作者は、科学と言うよりは、この辺の微妙な機微の話を書いた方がずっと向いているような気がします。
もっとも、二人の会話の中に、シュールとニコラスケイジの映画「Moonstruck (日本語題 月の輝く夜に)」の中の会話、「男はどうして女とセックスしたがるか。それは、死ぬのが怖いからだ。」を出してくるのはちょっとやり過ぎかも。死にたくないからセックスする、というのは、なかなか哲学的な話だけれど。
映画の話に脱線すると、このMoonstruckのなかの、That’s Amore はいい歌だと思います。蛇足ですね。
When the moon hits your eye
Like a big pizza pie,
That’s Amore.
When the world seems to shine
Like you’ve had too much wine
That’s Amore....
こんな歌詞だったかと。
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