笑い話をひとつ。
シンガポールからの旅行帰りの友人が、ぷんぷん怒って、オフィスに顔を出した。
彼は、夏休みを利用して、婚約者とシンガポールに出かけた。まあまあの、滞在の後、帰りの便は朝早い便だった。それでも彼は、婚約者にちゃんと景色を見てもらいたいがため、ものすごく早く起きてカウンターに並び、窓際の席をブッキングした。
ところが、機内に入って見ると、彼らの座るべき席には、赤ん坊連れのマレー人のお母さんが、※1)ちゃっかりと座ってしまって、もう荷物を広げてくつろいでいた。
彼も一人だったら、ずうずうしいマレー人だ、と思いつつも、まあ、しかたない、運が悪かった、と考えて、別の席に座るが、今日は婚約者連れだったので、いちおう、そのずうずうしいマレー人に、ここは自分の席だと告げた。
が、それはいつもの通り、そうやって座ってしまう人は、確信犯でありどくわけがない。ぐずぐず言って動こうとしない。
かれは、客室乗務員に言ったが、彼女も、まあ、あきらめて、と言っただけだった。※2)ここで、朝早くから並んで席を確保したのだからどかせろ、とか、機長を呼べ、とか言わなかったのは、日本人らしいと言おうか、彼らしいと言おうか、まあ、しかたなく、中央の席に座った。婚約者もいい人で、まあ、次の機会にね、とやさしく言ってくれたそうだ。
そうやって、我慢して座ったのに、その赤ん坊は泣くわわめくわ、SARSのような咳をするは、もうひと時も休めなかった。加えて、機内食もとてもまずく、※3)散々だった、もう二度とNWには乗らないと言っていた。※4)
旅行は最後が肝心で、帰りのフライトが不愉快だと、旅行全部がつまらなくなってしまう。
まあ、彼の婚約者はいい人で、帰りの便の不満も、一切口にしなかったとのこと。できた嫁さんを貰って、幸せじゃないか、と、私たちは声を上げて笑った。
まあ、思い出深い旅行になったことは間違いないのですから。
さて、あなたが同じような状況になったら、どうしますか?
なんとしても、そのずうずうしいお母さんを何とか退かすのでしょうか?
これはちょっと難しい課題だと思いますけど。
^_^
※ 1 マレー人だからではなく、こういう人は世界中どこにでもいる。あいていたんだから座ってもいいでしょ、たいへんなんだから、と言い、本気で怒られると今度は泣く。泣いてまわりの同情を得ようとする。ただ、赤ん坊連れということは、同情してあげないといけないと思います。
※ 2 これはほんとうは客室乗務員の仕事だと思います。嫌でも、毅然として、席を変わらせないといけないと思います。昔、これと同じような話で(子連れのお母さんではありませんが)、LAからのCI便で、CIの客室乗務員にきちんとしてもらったことがあります。NWの客室乗務員が悪いのではなく、あまり揉め事に関わりたくない、という客室乗務員だったのでしょう。まあ、私の友人一人くらい乗らなくなっても、痛くも痒くもないでしょうが。
※ 3. 欧米キャリア(+JAL)は一般に、機内食も美味しくなく、サービスも良くないのはしかたありません。気持ちよく、飛行機に乗りたければ、CIやTGやSQを選んだほうが無難だと思います。(もっとも、旅なれた人のサイトを見ると、これと逆のことを言っている人も多いです。^_^ 食べ物は、好み、なのですね。)
※ 4. NWはミネソタ方面によく使いますが、わたしはとても良い航空会社だと思います。親切だし、食事もそれなりに美味しいと思いますけど。念のため。
文章定位: