7月13日
加油 ファイト
わたし中卒だから
仕事をもらわれへんのや、
と書いた女の子の手紙は、
文字が尖りながら震えている。
ガキのくせにと、頬を打たれ、
少年たちの目がとしを取る、
寂しさを握り締めすぎた、
こぶしの中つめが突き刺さる。
というフレーズで始まる、ファイト、という歌が流行ったのは、たかだか２０年くらい前のことだといいます。当時は、表面では平等を装っても、裏ではこういうことがまかり通っていて、嫌な思いをした人がたくさんいたに違いありません。
今の日本では、当時に比べれば、そういうふうに嫌な思いをする人はずっと減ったと思います。それは、「人間は平等であり、学歴で差別してはいけない、」 という、何十年にもわたっての教育の成果であるといえます。ただ、その民主主義はちょっとだけ行き過ぎた、という側面もないとはいえません。学歴というわけではありませんが、勉強ができないとか、運動ができないとか、そういう他人より劣った部分を攻めたりしないのは良いことだとは思います。人はそれぞれ違っているのですから、その差を責めるようではいけません。
ただ、その、痛いところを責めない、ということが行き過ぎると、できないこと、を自分でそれが自分の弱点であることを認識できなくなります。勉強はできないが運動はできる、運動はできないが、自転車の修理は得意だ、というように、自分が誇りに思えることを持てる、ということは、できないことや劣っていることを、恥ずかしいとか、人に知られたくないとか、そんなふうに思うことによって生まれてくるのだと思います。ですから、できないことを恥ずかしいと思わなくなってしまうと、結局なにもできない、ことになりかねません。
運動ができなかったり、勉強ができないことを、あえて反論せず、声高に怒りもせず、恥ずかしくも思わず、お互い嫌なことを言い合わない友達と遊んで、淡淡と生きている人が増えているような気がします。それは、海外から戻った私が見ると、ほかの国とはずいぶん違う感じがします。国全体がやさしいのはよいのですが、このまま行くと、先には何か大きな問題が待っているような気がします。
ちょっと変な話題ですが、今日、新人の面接をしていて、ふとそう感じました。私は、いったいどっちの世代に属しているのでしょうか？^_^
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