24日、作業員3人が被ばくした福島第一原子力発電所の3号機で、被ばくの原因となった水から運転中の原子炉の水のおよそ1万倍の濃度の放射性物質が検出されました。
東京電力では、作業の妨げとなるこの水を取り除く作業を行うとともに、作業員に対して放射線の量を測定する線量計の警報が鳴ったら直ちに作業を中断することなどを周知しました。
福島第一原発では、24日、3号機のタービンが入った建屋の中で、作業員3人が深さ15センチの水につかって作業をしたところ、173ミリシーベルトから180ミリシーベルトの被ばくをしました。
このうち2人は、多量の放射線で皮膚が損傷する「ベータ線熱傷」の疑いがあり、25日、入院先の福島県の病院から千葉市にある放射線医学総合研究所へ搬送され、専門的な治療を受けることになっています。
作業員が被ばくした水については、東京電力の分析で1cc当たり390万ベクレルと、運転中の原子炉の中の水のおよそ1万倍の濃度に当たる放射性物質が検出されています。
検出されたのは、いずれも原子炉内で核分裂した際に発生する放射性物質で、東京電力では、高濃度の放射性物質を含む水が3号機の復旧作業の妨げになることから、排水作業を行っています。
一方、作業員3人が被ばくしたことを受けて、経済産業省の原子力安全・保安院は東京電力に対して、再発防止のため、直ちに放射線管理の在り方を見直し、改善するよう指示しました。
このため、東京電力は、25日朝、すべての作業員に対して、▽放射線の量を測定する線量計の警報が鳴ったり、ぬれたりしたら直ちに作業を中断することや、▽もし、作業中、事前の想定と異なることがあった場合は、すぐに東京電力に連絡してもらい、指示を仰ぐことなどを、周知徹底したということです。
3月25日 12:21更新
NHK news
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