切ないけど強い曲。表情にも気を遣っています(高橋)
今年1月にメジャーデビュー10周年を迎えたモーニング娘。が、
36枚目となるシングル「リゾナント ブルー」をリリースする。
“復活! 女性ボーカルグループ、モーニング娘。”
と銘打ったこのシングルは、「サマーナイトタウン」
「抱いてHOLD ON ME!」「Memory 青春の光」など、
モーニング娘。がまだ“アイドル”
とは呼ばれていなかった時代のテイストを踏襲した、
クールでアダルトなダンスナンバーだ。
現体制になって3枚目のこの作品に懸ける思いを、
年長メンバーの4人に聞いた。
高橋 初めて聴いたときから、難しい曲だなと思いました。
かっこいい系はこれまでにもやってきたんですけど、
今回それに、フェイクとか吐息とかの要素も加わって。
レコーディングにもいつもの倍以上の時間がかかりました。
その分、ライブではそれを1回しか歌うチャンスがないから、
すごく緊張します。
“リゾナント”とは、“響く”“共鳴する”という意味。
「遊びじゃキスしない」と、
子供じみた恋愛からの脱却を意識しつつも、
1人で眠る夜には寂しさがこみ上げる…
といった歌詞に描かれた女性像は、
普通の少女であれば大学生にあたる18~21歳の彼女たちにも、
等身大で受け入れやすかったよう。
道重 Aメロではすごく強がってるんですけど、
サビで一気に、本当は悲しいっていうことが分かる。
主人公のその気持ちがすごく伝わってきて…。
テンポの速い曲は苦手で覚えてもすぐに忘れちゃうことが多いんですけど、この曲はスッと体に入ってきました。
ジュンジュン 今はもう、日本語で歌詞を読んで理解できます。
私は、二十歳にしては子供っぽいところが多いので、
レコーディングには苦労しました。
今は家族と離れて日本で1人暮らしをしているので、
夜が寂しい気持ちはよく分かります。
田中 「軽い娘によく見られる~」っていう冒頭の歌詞は、
まるで自分のことを言われてるみたいで。
ここは絶対、自分で歌いたいと思いました。
デビュー曲の「シャボン玉」に並ぶくらい好きな曲です。
高橋 切ない曲だけど、強い曲ですよね。
だから表情を作るときも、切ない表情はしない。
PVも全編ダンスシーンで、かっこいい仕上がりですよ。
現在の9人編成となって以降、モーニング娘。のユニゾンの声質は、
どこかメロウで、かつ強さ、優しさをたたえたものとなっている。
「リゾナント ブルー」は、
そんな彼女たちの新しい声の魅力にスポットを当て、
これまでにない方向性にチャレンジした意欲作に仕上がった。
その歌詞にちなんで、
それぞれに“ブルー”になったときのリフレッシュ法を聞いた。
高橋 買い物、ですかね。1人が多いですけど、
お母さんと行ったり。買って満足するんですけど、
それで着ない服もたまにあります…。
田中 2つあるんですけど、
1つはママに自分の思いを聞いてもらうこと。
もう1つはカラオケですね。
これもママとなんですけど、れいなだけずーっと。
5時間くらい歌います。
道重 さゆみは、髪飾りとかシールとか、
こまごましたものを整理するのがストレス解消。
元々整理好きで、シールとかはもう最初から片付いてるんですけど、
それを1回ぐちゃぐちゃにして、
また1から果物シリーズは果物シリーズ、
ハートシリーズはハートシリーズって集めて、
出来上がったのを眺めるのが好きです。
ジュンジュン 私も買い物はありますけど、友達と行っても私、
一言もしゃべらないので友達がかわいそうです。
あと多いのは食べること!
中国にいたときからそうだったんですけど、
1人で外食に行って、「これ全部ください」って言って食べます。
店員さんも顔を見たら分かるようになってて、
「いつもの」って言えば出てくるところも。
昨年末の『NHK紅白歌合戦』にも多数の女性グループが初出場を果たすなど、ガールズミュージックシーンが盛り上がりを見せている昨今。
その中でも
随一の歴史と実力を持つモーニング娘。のリーダー高橋の思いとは?
高橋 もちろん負けたくない気持ちはありますし、
ライバル意識を全く持たないわけではないですけど、
モーニング娘。は10年も続いてきたグループだから、
あせってるという気持ちはない。
もちろんシーンが盛り上がるのはいいことですし、
4月からは「シングル大全集!!」っていう、
モーニング娘。の歴史を私たち自身で感じるコンサートも始まったので、
私たちも、これまでと変わらずに頑張りたいと思います!
カップリングには、
スカのテイストを取り入れた王道の元気ソング「その場面でビビっちゃいけないじゃん!」を収録。
こちらは中学生、高校生の若手メンバーが中心となってどこまでもポジティブなメッセージを歌っており、
「リゾナント ブルー」との対比で楽しめる1枚となっている。
●photo/松田和弘 text/柴田靖司
http://www.tvlife.jp/interview/t_076.php