だいぶ寒くなってきました。寒い日は薑母鴨がいいとのことです。最近音信不通だった友人からメールが来るのは、うれしいものです。便りがないのは良い便り、とは言いますが、やっぱり音沙汰がないと心配しますから、よかったです。
さて、秋も深まって来て、修学旅行のシーズンです。東京駅も、このところ毎朝、新幹線の集合持ち合わせのためか、地方から出てきた中学生や高校生の団体であふれかえっています。朝の通勤時間帯に、人通りの多い地下道で集まるのは、ちょっとというか、かなり迷惑なのですが、引率の学校の先生たちは、もちろんダウンタウンに通勤などしたことなどないでしょうから、その迷惑度はわかるはずもありません。
でも、通過していく人たちには、二通りの反応があります。
ひとつは、忙しそうに間を抜けながら、「ほんとに、邪魔な連中だ。」と、にらんで、先生方の横を過ぎるときに「田舎の学校が、」とはき棄てる様に、言っていきます。生徒はもちろん先生方でさえ、自分たちが、迷惑だ、などとは思ってもいませんから、「いなか、」という言葉にだけ反応して、「なに言ってる、」と、睨み返します。ちょっと険悪ですね。
一方、通過してゆく人の中には、ちょっと邪魔だな、という顔をしても、ちゃんと迂回して、同僚と、「旅行はこうして集まるときが一番楽しいんだよね、」と、楽しそうに話し、「先生も付き添いでたいへんだ、」などと微笑んで語り合ってゆきます。
この二通りの反応の、どちらが良いかは私には言えません。明らかに、通勤時間帯の地下コンコースで、統制の取れていない生徒が集まるというのは、たいへん迷惑で、引率の教諭たる者は、その程度の社会認識は、教諭であるがゆえに最低限必要だというのは事実だと思います。ただ、それはそれとして、自分の過去を思い、“楽しそうな、”生徒たちに、微笑んで見せるくらいの余裕は、いっぱしの社会人として持ちたいと、やはり思います。
もっとも、パンと牛乳の朝食を摂りながら、そんな風景を観察して考察している私は、ダウンタウンで働くには“余裕がありすぎ、”なのかもしれませんが。
ちょっと複雑な言い回しが多くてすみません。日本語の日本語らしいところです。不明なところがあったら、ぜひともお尋ねください。
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