鶴見俊輔:
四方田さんには『漫画原論』という大著がありまして、漫画の方法を説き明かした本です。そこで文学論、映画論と同じく漫画の表現方法の特色を論じてあって、漫画が広く好まれているので取り上げるというのとはちょっと違います。漫画でなくては表現できないものは何かという問題に答えを出しています。
四方田有本叫做「漫畫原論」的著作,是說明漫畫方法的書。其中論述了和文學評論、電影評論一樣的漫畫表現手法的特性,和因為漫畫被廣泛的愛好而採用的內容有些不同。對於非用漫畫所表現不可的東西,針對此問題提出了答案。
漫画の特色はコマなんですね。時間、空間をコマに分ける。「コマ」を積み重ねていくわけですが、このなかで特権的な瞬間というもの、爆発的な「コマ」がある。それが漫画の特色だということが『漫画原論』の要点です。長編小説だと読むのに時間がかかる。アランはクリスマス毎にトルストイの『戦争と平和』を読み直したそうですけれども、数日かかるのですね。初めて読むともっと長くかかるということもあります。映画も相当に時間がかかります。ですが漫画は、恐らく皆さんもお子さんたちの見てるのを見ると、ものすごい速さでパアーッと繰っているでしょう?あれなんですよ。ことに二度目、三度目になると、自分にアッピールする、特権的な瞬間というものをパッと探り当てるのです。これが漫画の受けとり方のこつなんですね。それを身に付けるというのは相当難しいことなんです。
漫畫的特色就是「分鏡」。以分鏡將時間、空間劃分開來。雖然堆疊了許多「分鏡」,在這之中稱作特別瞬間的東西,有著爆炸性的分鏡。這種漫畫特色便是「漫畫原論」的要點。閱讀長篇小說時要花費很長的時間。Alain(亞倫?)每到聖誕節時都會重新閱讀托爾斯泰的戰爭與和平,然而往往都花了數日的時間。初次閱讀的話,也是會花更多的時間。看電影也相當費時。但是漫畫,恐怕大家都和孩子們看書一樣,以非常快的速度啪~啦的翻過去吧!就是那樣。看了二三遍後,還能吸引自己,尋找到特別的瞬間,就就是漫畫領悟法的秘訣。要熟稔這個是相當困難的事。
私を大学に引っ張った上司は、京都大学の桑原武夫さんです。桑原さんはフランス文学の研究者で、広くいろんな芸術様式に通じておられたのですけれども、桑原さんは晩年「自分は漫画を読む癖を身に付けなかった。それが残念だ。」と言っておられたですね。桑原さんは私より二十歳ほど上の人です。もう一人は私とちょうどひと回り違う竹内好さんという人なんです。この人は中国文学、魯迅の研究者です。この方は、亡くなる数日前に病院にお見舞いに行った時に、「漫画世代がどういうふうに魯迅を読むか、自分は楽しみにしている」と言われたのですね。私より二十歳上の桑原さんも、一二歳上の竹内さんも自分が漫画を読む、その方法を身に付けていなかった。漫画はもう一つの言語です。魯迅と漫画と言うのは妙な取り合わせに見えるかもしれませんが、実は、魯迅は早くから漫画に興味を持っていた。漫画を広める活動もしている。晩年の『故事新編』は漫画的な方法です。漫画的な方法と言うのは、四方田さんの『漫画原論』によれば過剰の方法なんですね、あり余る方向に持っていく。誇張法ですね。それを魯迅は取り入れている。その方法が魯迅のなかにあるという認識までは竹内さんにはあった。
在大學時,提攜我的上司是京都大學的桑原武夫。桑原是法國文學的研究家,而且通曉各種廣泛的藝術形式,然而桑原在晚年時卻感嘆的說:「自己沒有看漫畫的習慣,真是很可惜呢!」桑原是個大我二十多歲的人。另一個人則是剛好大我一輪,叫做竹內好的人。這個人是中國文學和魯迅的研究家。這個人呀!我在他過世的前幾天到醫院探望他時,曾說了「稱為漫畫世代的人們會如何解讀魯迅呢?我很期待。」的話。比我大二十多歲的桑原和大十二歲的竹內本身也都有在看漫畫,卻還無法熟稔那個方法。漫畫已經是一種語言了。過了孩提時期要掌握此事就很困難了,而桑原和竹內也這麼認為。或許可以看見魯迅與漫畫間巧妙的組合,事實上,魯迅從很早就對漫畫抱持著興趣。也從事推廣慢畫的活動。晚年發行的「故事新編」便是以漫畫呈現。說到用漫畫的手法,以四方田的「漫畫原論」中過剩的方法的話,秉持著往更多方向發展,就是誇飾法了。
四方田さんは、私より三十歳も若いのですが、この漫画世代として、漫画を方法として取り入れた魯迅伝を書かれた。私が四方田さんに注目したのはこの著書によってです。ブロンズ新社というところから出ていますが、びっくりした。竹内さんが臨終の時に予言しておられるような仕事を四方田さんはされたのです。桑原さんや竹内さんや私などと違って、四方田さんこそ漫画世代のなかから出てきた、漫画の研究者です。ですから漫画という言語に習熟した人として、漫画のなかから話をしていただけると思うので、私は楽しみにして今日の話を伺いたいと思います。
四方田比我年輕約三十歲。以這個漫畫世代為中心,採用漫畫的手法寫成了魯迅傳。根據這本著作我才注意到四方田。雖然是在青銅新社裡嶄露頭角的,還是令人驚訝!按照竹內臨終前的遺言,四方田被交付於接任工作。與桑田、竹內和我不同的是,四方田是由漫畫世代中所出產的漫畫研究家。所以做為熟悉漫畫語言的人,從漫畫中可以悟思其中道理,我想我很期待今天的談話。
>>>這是我翻譯完的~(呼)有錯的部分直接留言吧!
翻得不順也一樣喔!!
感謝!!(鞠躬)
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